title :
性愛の家庭教師
性愛の家庭教師-カテキョ-
(って何がモトかわからなかったりしてー(^^;)
(もう古いよなぁ)
「か、家庭教師!?」
話がある、と喫茶店に呼び出され、唐突に持ち上がった家庭教師話に、レイはただ唖然とするほかはなかった。
「そうだ」
対称的に、カイはいたって冷静な表情をしながら話を続ける。
「以前、言っていただろう…どこかに働き口はないかと」
「…あっ…あぁ…?」
そういえば日本に落ち着こうと決めたころ、働き口を探したけど見つからなくて、カイにそんな話をしたような事をレイはぼんやりと思い出した。
今はBBAが用意してくれたホテルに滞在しているとはいえ、このままずっと過ごす訳にもいかないというのはレイ自身が最も身に染みて感じていた。
「お前のような年齢の者を雇うとなると、日本だと法律に抵触するため、さすがに火渡の力を持ってしても多少の問題がある。だが…」
言いかけて、カップに手を伸ばし、コーヒーを口に含む。
「家庭教師という名目であれば話は別だ。しかもお前から中国語を習っているという事になれば、対外的にもやましい所は何もない」
「……うーん」
レイが腕を組み、唸る。
「でもオレ、人に教えたことなんか無いからよくわかんないぞ?それに、カイの家の都合もあるだろうし…」
レイが気にしていること、それは火渡家に設置されているセキュリティ体制であった。部外者の侵入を拒むように何重ものガードにより徹底的な防備体制が敷かれ、入館の手続きだけでもかなりの時間を要するのである。
以前、高くそびえ立つ塀を飛び越えてカイの家に遊びに行ったとき、「侵入者だー!」と火渡邸内が大騒ぎになったことを思い出し、通うにしても色々面倒だなぁとレイは感じていた。
「ああ、だから、お前が使うための部屋を用意させている」
「使う…部屋?」
「火渡家の住み込み家庭教師、という事だな」
「…ええええっ!?」
さまざまな音階の「え」を、これ以上はないという程、目を大きく見開きながらレイは驚き叫んだ。
「お前もこれ以上ホテル暮らしを続けるのは心苦しい、そう言っていただろう?」
「そっ…それは、確かに……でもそれだと今度はカイに迷惑をかけるだけじゃ…」
「だからこそ家庭教師ではどうだと言っている………まぁ住み込みである以上、空いた時間は火渡の家事や雑務を手伝うことになるかも知れんが……どうだ?」
自由奔放な"猫"を、側に置き自分好みに躾けたい。
そのためには、丈夫な檻を用意しなければ。
あれほど忌避してきた火渡の力を使ってでも叶えたい願い。
ずいぶん勝手なものだな、とカイは自嘲気味な笑みを浮かべた。
「じゃぁ、ひとつだけ聞いてもいいか?カイ」
「……なんだ」
まさか自分の考えが見破られてるのかと、カイが一瞬身構える。
「食事は出るのか!?」
(ずるっ)
全く予想もしていなかった…いや、ある意味レイらしい発言に、凭れ掛かっていた椅子から落ちそうになるのを必死に耐えた。
「心配するな。家庭教師であれば火渡の客人という扱いになるからな」
「そういう事なら」
カイん家の食事は豪勢なんだよなー、と二つ返事で引き受けるレイを見て、カイが満足そうに頷いた。
カイの側で暮らせるなんて。
なんてラッキーなんだろう、とは思うけれど。
心の奥に封じた筈の、切なる想いが沸き上がる。
…咄嗟に別のことを言ってごまかしたけど、バレてないよな…?
ホテルに戻り荷物の整理をしながら、レイはどうカイに接したら変に思われないかをぼんやりと考え始めていた。
数日後、レイはカイに連れられ、火渡邸へとやって来ていた。
入口のセキュリティを通過し、車が正門に到着するや否や、邸内から使用人達が姿を現した。
「おかえりなさいませ、カイ様」
カイは車から降りると、女中頭らしき人物に声を掛けた。
「昨日話した通り、家庭教師を連れてきた。あとは宜しく頼む」
「かしこまりました。金李様でいらっしゃいますね。どうぞこちらへ」
「あっ、はい!よろしくお願いします」
ひとりの女中に誘導され、屋敷の片隅へ連れて行かれるレイに聞こえぬよう、カイが小声で呟いた。
「手筈通りに」
「…おまかせくださいませ」
長い廊下の突き当たりに、客人が滞在のために用意されていた部屋があり、レイはそこを使用することとなった。
ホテルの一室を思わせる作りになっており、入口から机やベッドが一望できるようになっていた。
「滞在中は、火渡の関係者であることを示すためにも、こちらで用意した衣装にお着替え下さい」
衣装はお部屋に用意してありますから、と言われたため室内を見渡すと、ベッドの上に小さな紙包みが用意してあった。
(…これかな……えっ!?)
レイが紙袋から取り出したもの。真っ白な色をしたソレは、手触りといい、所々に散りばめられた装飾といい、誰が見ても明らかに高級品であることが伺い知れたが、どう見ても女物のチャイナドレスであった。
(…どういう事だろう…)
人を呼ぼうとして慌てて部屋の外を見てみるが、いくら待とうとも人が通る気配は全く感じられない。
(これを着ろって事か……?)
レイは服を手にしたままうろうろと部屋中を歩き回り、悩みに悩んだあげく、意を決したかのように自らの腰紐を解き始めた。
「カイ!」
「…遅かったな」
「遅かったじゃないっ!どういう事だこれは!みんなにジロジロ見られて恥ずかしかったぞ!」
カイの部屋に駆け込むや否や、矢継ぎ早にまくし立てるレイ。
カイは内心ほくそ笑みながらも、悟られぬよう冷静に話を継いだ。
「似合ってるな」
「そんな事言われても嬉しくないっ!…まさかお前が用意したのかっ!?」
「…ああ」
キッ、と両眼で睨みつけるレイ。
「誤解するな。確かにお前の服を用意させるよう指示はしたが、何を用意したかまでは報告が無かったのでな」
レイにチャイナドレスを着させるよう密かに指示した張本人でありながら、飄々と受け答えるカイ。
「…まぁいい。替わりの服は用意してくれるんだろうな?」
「ああ。……だが、そうなると誰が犯人かを調べないとな」
「…どういう意味だ?」
犯人、という言葉に反応し、レイがきょとんとした表情でカイを見つめる。
「最低でも1カ月分は用意するよう指示したからな。それらが全て注文ミスだとなると、かなりの損害になる。間違った奴には当然、責任を取ってもらう事になるだろう」
「えっ……」
「実際に着ているお前にも分かるとは思うが、火渡の名に恥じぬよう、それなりのものを用意させた。それらが全て無駄だとなると被害額も当然それなりの額になる……まぁ、職を追われることになるだろうな」
カイに文句の一つや二つも言ってやろうと思い、怒鳴り込んだ当初の勢いはレイからすっかり消えうせていた。
「……なぁカイ」
「何だ?」
「俺が……その…服を着れば……その人は辞めさせられたりしないか?」
カイはレイの言葉に満足そうに頷いた。
自分のために他人が犠牲になるなど、レイには到底受け入れられない行為であると読んでの事。
「あぁ。客人をもてなしたとして褒められこそすれ、咎められる事は無いだろうな」
この言葉が決定打となり、レイは渋々ながらも、自らの意志でチャイナドレスを着て過ごすことを承諾したのである。
「…レイ」
「……なんだ」
「似合ってるぞ」
「ばっ、馬鹿っ!」
褒められる事自体は嬉しいが、女装した自分の姿を想像するとやはり複雑な気分になる。
「さっ、勉強するぞ!オレはカイの家庭教師なんだからなっ!」
「…ああ」
ちっ、と舌打ちしながらカイは渋々ノートを開いた。
(まぁ、時間はたっぷりとあるからな。急ぐこともあるまい)
こうして、奇妙な同居生活がスタートした。
カ イが学校に出掛けている昼間は家事を手伝いながら、時々外出してベイの練習を行い(当然外出する時はいつもの服装に着替えてからではあるが、戻って来てか らは律義にチャイナドレスを身に付けていた)、カイが帰ってきてからは、一緒に夕食を取った後、カイの部屋で勉強を教えるというのが日課になりつつあっ た。
もともと人当たりの良いレイは火渡の使用人達ともあっという間に打ち解けて、今ではカイが居ない時は食事を一緒に取るまでに仲良くなっていた。
もっとも、カイは使用人にレイの行動を逐一報告するよう命じていたため、日中の行動を全て把握していたのではあるが。
そんなある日のこと。
「カイ様の洗濯物が残っているかもしれないから見てきて」と頼まれたレイは、カイの部屋へと向かっていた。
使用人がカイの部屋へ足を踏み入れることは固く禁じられており、自由に出入りすることが許されているレイに白羽の矢が立ったのである。
いつものようにドアを開けようとしたが、鍵がかかっていたため、事前に渡されていた合鍵を使い部屋に入ると、固く瞼を閉じて天井を仰いだ。
主の居ない部屋へ勝手に入ることが、何となくやましい気がして、悪いことをしているような錯覚に捕らわれてしまう。
「…たっ、頼まれたからなんだからなっ!」
誰に言い訳するでもなく、レイはそう独りごち、部屋を探しはじめた。
「…ないかなぁ……あれ?」
ふと本棚を見ると、妙に真新しい1冊のアルバムが目についた。
レイは「人のものだから」と何度も首を振り気にしないようにしていたが、意識しないようにすればする程沸き起こる欲求に屈し、つい手に取り中を覗いてしまった。
「…えっ!?」
中を開くと、そこには自分の姿が映っている写真がいくつも奇麗に並べられていた。チャイナドレスを着ている事から、最初にこの屋敷へ来た時から、時系列順に1日の欠けもなく収められているようだった。
「…な…何だっ?」
レイは驚愕し、その隣にあったアルバムを手に取り開くと、そこには以前、ベイの世界大会で各地を転々としていた頃の写真が収められていた。しかも御丁寧にレイ自身の姿だけが切り取られ貼られていたものもある。
(……カイ………?)
まさか、とは思いながらも、レイは胸の鼓動が速くなるのを感じずにはいられなかった。
(…オレの……こと……?カイ………?)
見たことをカイに気付かれないよう元どおりに棚へ納め、部屋を出ようとしたとき、クローゼットの前にカイの下着が落ちているのに気が付いた。状況からして、カイが今朝着替えた時の残骸であろうことは容易に推察できた。
レイはゆっくりと手を伸ばし掴むと、愛おしそうにソレを自分の顔に押し当て、何度となく呼吸を繰り返す。
「…カイの……」
カイのトランクスはまだ微かに匂いを残していた。カイの肉茎が納められているであろう部分に到達すると、とたんに、微かなアンモニア臭が鼻孔の粘膜を刺激してくる。
(…カイの…匂い……)
カイの部屋へ忍び込み、下着を拾い、匂いを嗅ぐ。なんという変態行為を自分はしているのか、という後ろめたい気持ちが、かえってレイの欲情に拍車をかけた。
(…がっ、我慢しなきゃ、でも…)
火渡邸で暮らすようになって1週間。なんとなく罪悪感を感じ今まで避けてきたが、思春期の少年が自慰行為をしないで済ませられる筈もなく、今までの反動か身体中が火を付けられたように火照り始めた。
(…と、止まらないっ)
レイは場所を顧みず、自らの分身が納められている布切れを一気に引き下ろした。狭苦しい空間に閉じ込められていた怒張が勢いよく飛び出してプルンと揺れる。破裂しそうに張り詰めた亀頭に先走りの吐液が濡れた光を付け加えていた。
カイの下着を口に咥えながら、恥ずかしい汁を滲ませた先端に爪をはわせ、もう一方の手で竿の根元を握り締める。
既に限界まで怒張した肉茎からは、握られただけで先端から半透明の先走りが漏れ出た。
レイはベッドに腰を降ろし、自分の肉棒を再び握り、ゆっくりと雁首から下へ動かす。赤くピンクがかった鈴口が露になる。
口元の下着からは匂いが伝わり、まるでレイ自身がカイの手で弄ばれているような錯覚に陥った。
「あ…あぁ……カイ………」
愛しい相手の名前を言いながら、自分の分身を握りしめ、その手を上下させる。
レイのペニスがますます膨張し、天を向くように屹立していった。鈴口からは、透明の線液がとめどなく溢れ出し、表面張力で珠のようにふくれあがる。
レイは、それを指で亀頭全体に塗り延ばした。
「はぅっ……!」
かすかな悲鳴をあげ、ベッドに仰向けに倒れ込む。
が、レイの手の動きは止まらない。
「あっ、はぁっ…」
レイは甘い喘ぎをあげながら、自らの亀頭を撫で回した。
ぴりぴりとするような快感がさらに腺液を分泌させ、レイ自身を淫猥なぬめりで覆っていく。
「あっ、あぅっ、あっ、あっ……」
レイの身体の中で、快感が高まって行く。
肉棒の先端は糸を引くほどに腺液を溢れさせ、グチョグチョという淫猥な音を部屋中に響かせている。
「あぁぁっ…カイッ…もっとぉ……」
その頃カイは、滅多にしない忘れ物を取りに自分の部屋へ向っている途中だった。
部屋の鍵を開けようとして、施錠されていない事に気付いたカイは、咄嗟に侵入者の可能性を考慮し、音を立てないようドアをゆっくりと僅かに開け、中の様子を伺った。
カイが見たもの。
それは、物音にも気付かず、ひたすら自慰行為に没頭していたレイの姿であった。
邪魔なチャイナドレスは既に脱ぎ捨てられ、レイは全裸でカイのベッドに仰向けになっていた。
レイの両手はいつしか肉棒を強く握り締め、激しい動きで上下させ続ける。うねり、悶えるレイの動きに合わせて、四肢がビクビクと揺れる。
カイは自分の部屋へ忍び込み、しずかに施錠すると、物陰に隠れるように身を潜め、レイの様子を伺った。
レイはギャラリーの存在に気付くそぶりもなく、固く反り返った自らの肉茎を抜き続けている。
「あっ、あぁっ……カイっ、カイぃ……」
キリっとした眉を切なげに歪め、目尻に涙を浮かべながら、レイがうわ言のように繰り返す。
自らの名前を呼びながら自慰に耽るレイを目の当たりにし、カイの肉棒も熱を帯びはじめていた。
何度も夢に描き、その都度下着を濡らした光景が、今、眼の前で繰り広げられている。
カイは無意識のうちに胸ポケットから携帯電話を取り出すと、レイへ向け撮影開始ボタンを押した。赤い"●REC"マークとともに液晶へ映るレイの痴態に、得体の知れない感情が沸き上がるのを感じ、カイはぐっと息を飲みこんだ。
「もっと、もっとぉ、カイぃっ…」
レイは口元に置いていたカイの下着を、口のなかに含めると、もっとも『濃い』部分を舌でペロペロと舐め始めた。
まるで本物のカイ自身を口中に迎え入れたような強い味覚に、レイはいつしかカイに抱かれているような感覚を味わっていた。
「ヴゥゥ…ヵィ…ヵィッ…!」
レイは右手で乱暴に肉棒を抜き上げ続け、もう片方の手で自らの秘裂に指を差し入れ、激しく愛撫する。
「ぅぁぅっ!もっ、もうっ、だめっ!!」
レイの口から唾液にまみれたカイの下着が転がり出ると同時に、白濁した体液が、天を向く肉棒の先端から激しい勢いで迸る。
それは宙をとび、レイの胸や顔にまで届いた。
大量のザーメンが、レイ自身の肌を濡らしていく。
幾度かの発射を繰り返し、その度に新たな精液を迸らせたのち、ようやくレイのペニスが静まりを見せてきた。
「はぁ、はぁ、はぁっ、はぁっ……」
荒い呼吸を整える。
自らの精にまみれながら、レイは虚ろな瞳を天井に向けていた。
言いようのない罪悪感と虚無感が、レイの胸の奥底を苛んでいる。
「…もういいのか?」
射出の余韻で宙に浮いているかのようなまどろみに包まれていたレイは、しばらくカイの存在を認識することができなかった。
「…っ、カイ!?なっ?えっ?どうしてだっっ!?」
「それはこちらのセリフだ。人の部屋で何をしている」
「なっ、何って……」
事実を客観的に表現すれば「カイの下着を口に咥えながら自慰行為に耽っていました」という事になるが、まさかそうだと言える訳もなく、レイは真っ赤に染まった顔を隠そうと両手で覆った。
「ずいぶんと楽しそうだったな」
カイは口元に笑みを浮かべながらレイにゆっくりと近づき、ベッドの端に腰掛ける。頭部付近に転がり落ちていた、自分の下着を手に取り広げると、レイの唾液によって半分近くが濡れていた。
「いつも『こう』してたのか?」
「ちがっ、そんなこと…」
レイの言葉を遮るように、その割には慣れた手つきだったな、と言葉で詰りながら、レイの身体に残る白濁液を指に掬いあげた。
クン、と匂いを嗅ぐと、栗の花に似た精液特有の匂いが鼻孔を刺激してくる。カイは指を顔に近づけ、舌を這わせた。
「……甘いな」
初めて味わうレイの精は、青臭いいがらっぽさの中にも、仄かに甘みが感じられた。朝食替わりにケーキでも食べたのだろうかと想像しながら、カイは指に残る液体をすべて舐め取っていった。
「…舐めてみろ。甘いぞ」
別のところからふたたびレイの精液を指に掬い取ったカイは、こんどはレイの口元へと指を近づけた。
「嫌だっ!」
「どうした?自分のだろう」
ただでさえ自らの痴態を見られ、四肢を晒け出したままだというのに、これ以上の辱めは。
「そうか…わかった」
カイは同じように自らの舌で舐め取ると、腰のベルトに手をかけ、下着ごとズボンを引き下ろした。そしてそのままレイの身体の上に馬乗りになる。
「お前は、これの方が好きなんだな」
反り返る自身の肉棒を右手で摩りながら、レイの口へと近づけていく。
部屋に入った時から見続けた扇情的なレイの姿で、カイ自身の先端からは先走りの液が溢れ、雁の部分を膜が張ったようにぬめぬめと覆っていた。
確かにレイにとって興味がなかったという訳ではないにせよ、カイの肉棒を間近に見て、その形、大きさ、どれにも圧倒されそうになり、レイは生唾をゴクリと飲み込んだのち、ぷるぷると首を横に振った。
「そっ、そんなことないっ!」
「何を言う。下着なんかを咥えてるよりもずっといい筈だ。それに…」
不意にカイの手がレイの肉茎に触れた。そこは、レイの意志に反して、ふたたび力を取り戻し初めているのも事実だった。
「ココはそう思っていないようだが?」
「くっ…」
また、認めたくないものの、レイ自身にも御し難い感情が沸き起こりつつあるのも事実だった。
カイは無言でレイの口元に猛る怒張を近づけ、そのままレイの反応を待ってみたが、僅かにに残るプライドが邪魔をするのか、なかなか思う通りにはならない。
カイは硬く膨張している肉棒を何度かしごいて、
「ほら…お前の大好きなものだ。我慢するな」
レイの唇に無理矢理こすりつけた。
レイはいやいやをするように首を振ったが、カイの肉塊が触れた途端、反射的に唇を開いてしまう。
「ふっ、やはり正直だな…それでこそ、お前らしい」
まるでそれを待っているかのように唇を開くレイには、最早褒められているのか貶されているのか判断がつく筈も無かった。
「よし…いいぞ。存分に味わえ」
おあずけを食らわされていた犬のようなレイに、カイが命じる。
白い歯並びを見せる唇をさらに大きくひろげて、レイは突き付けられた肉棒を口の中に含んでいき、先端が生暖かい感触に覆われた。
カイの逞しい肉の塊を口に咥えたその瞬間、家庭教師の優雅な美貌が、エロチックな妖しい色香に彩られた。
(…これが……カイの………大きい……)
咥えたペニスから伝わるカイの欲情の炎を感じ、レイは咥えながら理性が麻痺してゆくのを感じていた。
レイはその感触に陶酔しながら、顔を前後に動かしたり、ときには少し円を描くようにまわしたりして、熱心に鉄杭のようなペニスを摩擦した。舌で愛撫していると、カイの肉棒は、ますます熱く膨張してくる。
「くっ…、なかなか…上手いな。そんなにイイか?」
息を乱しながら、カイがうわずった声をあげると、レイがそんなことはないと言いたげな目でカイを見やった。
「…ほぅ?」
まだ理性が堕ちきっていないのを察知したカイは、突如レイの口から熱い塊を抜き取った。
「あ……」
今まで遊んでいた玩具を急に取り上げられてしまったかのような喪失感を感じ、レイは自然と声を漏らしていた。
カイとしても爆発寸前であり、そのための対策だったにもかかわらず、思いがけないレイの反応に、カイのサディスティックな嗜虐感が高揚していた。
「お前は『コレ』が好きなんだ。そうだろう?レイ」
言いながらカイは、自身の肉棒でレイの朱唇をなぞった。
「う、ふぅっ……」
本能的にレイは、カイを咥えたそうに唇を開けてしまう。
若々とした色香の漂う端正な美貌が、薄紅色を帯びたように染まっていた。大きな瞳は悩殺的に潤み、たたえる情感でキラキラと光る。
「口を開いたということは、そうだ、ということだな?」
レイは無言で、大きく唇を開き目を閉じた。
口に出してしまっては負けだと思い、レイができる精一杯の抵抗である。
カイはゆっくりとした動きで、レイの口内へ自らのモノを刺し入れた。
「あがっ……あがっ……うげぇっ……」
カイはレイの喉奥深くまで突き進んだ。躱すこともできないレイは、喉を使ってペニスを刺激し始めた。腹がヒクヒクと苦しげに波打ちながら、吐き気をこらえてのディープ・スロート。喉で亀頭を擦られるのは舌とはまた違った強烈な刺激だった。カイから吐息が微かに漏れる。
「……んぐぅ……ぐふぅっ……」
レイは息苦しそうに呻きながら、懸命にフェラチオ奉仕をする。
硬くて熱い肉の塊を喉で受け止めがら、ぼんやりとした意識の中で、レイの肉体が、あるいは精神がカイを求めているということを徐々にではあるが自覚せざるを得なくなっていた。
カイが持つ灼熱の塊をこの身に迎え入れたい。
そんなレイの変化を知ってか知らずか、カイは口を前後する動きをより一層速めていく。
「くっ……レイ……出すぞ!……」
カイが獣のように吠えるのと同時に、陰茎がピクンピクンと痙攣し、亀頭部からおびただしい量のザーメンが噴出した。熱い迸りは幾度となくレイの喉壁を打ち、口内を汚染して行く。
「…んぐっ…おぁっ……」
生臭い白濁液を喉で受け、レイが苦しそうにカイ自身から口を離し、異物を吐き出そうとする。
「出すな!呑み込め!」
カイの言葉に、レイは言われた通り胃の中にカイの精液を飲み込んだ。生暖かな液体が喉を通り落ちてゆく感覚に、レイはより一層快楽の縁へと押し上げられて行く。
「……んっ……はぁっ……はぁ……」
カイは荒く息をつくレイの身体を持ち上げると、頭からベッドに降ろし、壁に背中をつけ、足を上に投げ出すような姿勢で固定した。
でんぐり返しを途中で止めたような格好をさせられ、肩に体重がかかり、頭に血がのぼり、また自分自身が丸見えになる。レイは逃れようと藻掻いてみるが、足先がバタバタと虚しく宙で踊るだけだった。
「逆さ富士とは良く言ったものだな」
レイの目の前には自分のペニスが垂れ下がり、アナルは天井を向かされている状態では、カイの言葉に反応する余裕は無かった。
カイは革紐でレイ自身の根元を縛り上げ、勝手には気をやれなくしておいてから、人差し指を口に含み唾液で濡らし、レイの菊門に指を押し込み荒々しく揺り動かし始めた。
「こっちの準備はどうだ?」
「くぅっ……くわぁぁ……」
レイは苦しそうに泣き叫ぶが、徐々に肉蕾が拡がって二本の指の付け根までを呑み込んで行くようになる。カイは括約筋をほぐし広げるように指をこね回し、さらにもう1本の指を加えて行く。
「ぐむぅぅっ……」
レイのアナルは皺が伸びきり、今にもはち切れそうにテラテラと張りつめる。それでもカイは乱暴に指を出し入れして、レイの口から呻き声を引き出し続けていた。
しばらく弄んでから指を引き抜くと、レイの肛門は閉じることを忘れたようにポッカリと口を開けたままになっている。
「ふん。ずいぶんと慣れているな。白虎族はこういう修行もしてるのか?」
カイはレイの答えを聞くより早く、レイの唇を割って今までレイの後門を嬲っていた指を強引に捻り込んだ。
「うっ……ん……んんっ……」
「自分のだ。美味だろう?」
排泄のための肉穴に潜り込んでいた指が美味しい訳はない。微かな苦みは糞便の味なのだろう。唾液に溶けて不浄な臭気が口に拡がると、レイは吐き気を堪えるのがやっとだった。
「自分のことは自分で処理すべきだと、そう教わらなかったか?」
最早カイの言うことが理に叶っていなくとも、レイにはその判断ができるだけの余力は残っていなかった。
カイは大人しくなったレイの口内を指でネチャネチャと弄び、そしてまた、唾液に濡れた指を閉じかけたレイのアナルに戻してズボズボと出し入れする。
「くはぁっっ……」
カイの指がレイの口とアナルを行き来するたび、レイのアナルはますます締まりを無くしていった。
「あぅっ……んっ………そこ……」
最中、レイが切なそうな吐息を漏らしたのをカイは逃さなかった。
指を挿れ、レイが感じたポイントを探りあてると、集中的に責め立てていく。
「あぁっ……そこ……駄目っ……いいっ!」
全く手を触れていないにも関わらず、いつの間にかレイ自身は固く熱を帯び、抑制されていた疼きが一気に亀頭へと押しかけようとする。
「くっ……ぁぅっ……」
後ろの刺激だけで達せさせられてしまう。レイに僅かに残るプライドだけで必死に抵抗を試みていたが、いよいよ最後の時を迎えようとしていた。
「あ……あぁぁぁっ……気が狂うっ……駄目だっ……」
内蔵を弄られる忌まわしい疼きが渾然となり、欲望が下腹の奥で音を立てて渦巻く。
カイは焦らすように指の動きを止めた。
「やだぁっ……カイっ……やめちゃ………」
レイは熱くなった下半身をもじもじとくねらせ、泣きながら懇願した。
「…では、今後、俺の言うことを必ず聞くと約束するか?」
「ぁっ?……あぁっ……約束するっ!」
「どんな命令でもだぞ?俺が犯りたいと言えば、どんな場所でも必ず犯るからな。絶対にイヤだとは言わせないが、それでもか?」
「それでもっ…いいっ……誓うっ……だから……イカせてっ!」
普段ならば到底受け入れられない条件であるが、今は考えている余裕も無い。レイは欲望に負けて心の底から哀願し頷いた。
カイは隷従の宣誓を聞き届けると、レイを戒めていた革紐を緩め、レイのアナルに刺激を再び与えた。
「レイ、口を大きく開けろ」
カイの言葉が聞こえるのと同時に、レイは顔の上に垂れ下がっていた自分のペニスが、ドクンと震えるのが目に映った。
「あっ……」
身構える間もなく、白濁した粘液が迸り、顔に噴きかかる。
「口を開けろと言っただろう?言うことが聞けないのか?」
涙目になりながらレイは口を開くと、滑った樹液がダラダラと流れ込み、青臭いいがらっぽさで再び口内が満たされてゆく。
自分の口の中に射精させられるという屈辱。にもかかわらずレイはどこか満ち足りたような安堵感に満たされていた。
カイの手がレイの身体を包み、ベッドに横たわる姿勢に直された。
ようやく終わるのか、と思った瞬間、レイの尻梁の間に熱い塊が押し当てられた。それがカイ自身であることは疑いようの無い事実だった。
「やっ、まって…入らなっ…」
何度と無く刺激を与えられたとはいえ、自分の分身より太いソレである。カイの亀頭がようやく締まりを取り戻しかけた尻穴を押し広げて突き刺さると、括約筋が悲鳴をあげた。
「痛いっ!カイ、痛いっ!!」
「……ちっ」
あまりにも泣き叫ぶレイに、カイもそれ以上進むのを諦め、レイの身体から渋々自分自身を抜き出した。
「拡張する必要があるな」
言うや否や、カイは机に向かうと引出しから道具を取り出し、脱力したままのレイに襲いかかった。
レ イの尻の穴に異物が突っ込まれ、特殊な鎖で抜け落ちないように固定されてしまった。それはアナル・プラグといって、挿入のため紡錘形をした先端部分と、 スッポリと全て体内に入り切ってしまわないように拡がった底部とを持ち、括れた部分を咥え込んだままにさせて括約筋を拡張する調教器具だという説明がカイ からあった。
「俺のモノが簡単に入るようになるまで、これでも入れて慣らしておけ」
鎖の繋ぎ目に南京錠をかけられてしまい、勝手に外すこともできない。
「勝手に外したりしたら、どうなるか…」
文字どおり精根尽き果てたレイは、カイの言葉を最後まで聞き届けることなく、肛口の異物に苛まれながら深い眠りへと堕ちていった。
翌 日、いつものようにタカオの庭でベイの練習をしていたレイだったが、突然尻をもじもじとくねらせたり、辛そうに顔を顰めたりと、レイの素振りは廻りの誰か ら見ても妙だったに違いない。カイに挿入されたアナル・プラグのせいで灼けるような痛みに悩まされ、昨夜は寝たり起きたりを繰り返してほとんど眠れなかっ た。
もっとも、昨夜はカイのベッド上で意識を失ったこともあり、目を覚ました時、隣にはカイの姿があった。一緒に眠れたというだけで嬉しくなってしまい、痛みもいつの間にか消えて行き、寄り添うように再び眠りの世界へと堕ちていったのである。
そ うして朝レイが目を覚ますと、既にカイは外出した後で、気分転換にとベイの練習に来てはみたものの、誰かと話していてもパンツの中に隠された秘密に気付か れはしないかと気が気でなかったし、意識するとますます異物の存在が際立ってしまう。しかも異物に腸壁が刺激され、ときおり強烈な便意がレイを襲い、脂汗 が滲み出してくる。
「入っている」状態には慣れてきたのか痛みは少しずつ薄らいでいたが、もっと重大な問題が残されていた。「栓」をされた状態では、排泄することもできないのだ。
食事は普段どおり採るにもかかわらず、毎朝の習慣を封じられ、心なしか下腹部が重い気がする。
(カイの言うことを必ず聞く……どんな命令にも従う……そう誓ったのは確かだけど……でも……)
すべては、カイの手に握られてしまった。
「レイ?今日はどうしたノ?」
マックスはすぐ異変に気付いたようだ。BBAの中でも同じ外国系という繋がりからか、いつも親身になって心配してくれる。
だから、カイから肛門拡張訓練を浮けているなどと、言えるはずもなかった。
「あ…あぁ…べつに…」
「でも、すごく具合悪そうだヨ?」
言葉を濁してもマックスは納得しない。ありがたい事ではあるのだが、今のレイにとっては適当に相槌を返すのがやっとだった。
意識しすぎかもしれないが、どんなに洗っても昨夜のカイとの、あるいは自分の移り香が残っているような気がして、マックスが真剣に心配してくれるほど落ち込んでしまう。
「ちょっと休んだほうがいいんじゃナイ?」
「煩いな、大丈夫だ!」
さまざまな思考が一つにまとまらないまま、終いには逆切れしてしまった。
(あっ……いけない!)
自分が悪いのはよくわかっているから、マックスが悲しみと苛立ちの入り交じった表情を浮かべると暗澹たる気分になってくる。
滅多に声を荒げたりしないレイの異変に、ベイを調整していたタカオとキョウジュも振り返ってレイを注視しはじめた。
「マックスの言う通りですよレイ。さきほどから取っていたデータからも、あなたの体調が万全ではないという分析結果が出ています」
「やっぱりそうなのか?さっきレイとバトルしても全然物足りなかったから、変だなとは思ってたんだけどさ」
そんなことはない、と言いたかったのだが、それより早くマックスに言葉を遮られてしまう。
「ほら、みんなこう言ってるんだカラ、レイはちょっと休むネ。タカオ、ベッド借りるヨ?」
「ああ。俺らはドラグーンの調整してるから、ゆっくり休んでていていいぞ」
「ついでにドライガーとドラシエルの調整もしておきますから、安心して休んでいてくださいレイ」
「サンキュー。じゃ、行くネ、レイ」
マックスに手を引かれるまま連れられタカオの部屋まで来ると、堪えていた睡魔が一気にレイに襲いかかり、俯せのままベッドに倒れ込んでしまった。
(…ただ単に寝不足だったのかナ?)
レイの規則正しい吐息を聞きながら、マックスはレイの様子をじっと眺めていた。
マックスやタカオもまた、カイと同じようにレイに対して少なからぬ感情をもっていたのである。そんな矢先にカイと同居すると聞き、どす黒い感情が沸き上がっていたのも事実だった。
(……アレ?)
時折、レイがもじもじと辛そうに尻を揺らすのに気付いたマックスは、服を着たまま寝ているから夢見が悪いのだろうと判断し、レイの服を徐々に脱がせていった。
腰紐を外し、上着を脱がせてもレイは起きる気配を見せない。
マックスはズボンもゆっくり引き下ろすと、見慣れない鎖がレイの腰に巻き付いているのに気が付いた。
(………!?)
鎖の行方を追って行くと、それはレイの股間を通り、前後で繋がっているようであった。咄嗟に何かは判断できなかったが、レイの下着を剥ぎ取ると、尻の中に異物が潜り込んでいて鎖で押さえ付けられているということが確認できた。
(…レ、レイッッ!?)
信じられない光景に驚愕しながらも、マックスはレイの体内に埋め込まれているアナル・プラグを指で動かしてみた。鎖で押さえ付けられているため、抜け落ちるということはなさそうである。
「…ん……んんっ……」
動きに合わせてレイから籠もった声が漏れる。
マックスは慌てて部屋を飛び出し庭へ戻ると、ベイ調整中のキョウジュを残し、タカオと連れだってレイの元へと向かった。
「…すごくナイ?」
「…すごいけど……どういうことなんだ?」
「…それはレイに聞かなきゃわかんないヨ」
「…まさか、カイの仕業か!?」
「…今のボクには否定も肯定もできないネー」
下腹部の違和感にレイが目を覚ますと、咄嗟には理解できなかったが、マックスとタカオの姿を辛うじて確認できた。
どうしたんだと声を掛けようとして、いつの間にか自分が仰向けで裸にされ、カイに挿れられた器具が露になっていることに気が付いた。
「あ、起きた」
「レイ、これはどーゆーことネ?」
「…………ぁ?」
まだ夢見心地でぼんやりとしているレイに、マックスがアナル・プラグを軽く揺さぶり、現実へ引き戻す。
「…ぁぅっ……」
「どうしてこんなモノを挿れてるノ?」
「誰にやられたんだ?」
「…うわぁぁっ……やっ……やめてくれっ……」
繋がった鎖を揺さぶられ、忌まわしい刺激が下腹の中で暴れまわる。
「やめて?ドウシテ?感じちゃうカラ?」
「そんなにウットリする位気持ちいいのか?」
「…そっ、そんな事……」
否定しようとしたが、刺激を受ける度に、レイの肉茎が徐々に反応していく様子が、二人のもとに晒されていく。
「やっぱり気持ちいいんじゃねーか」
「レイって、ソウ、だったんだネー」
見損なった、と言われているような気がして、レイの表情が陰る。
「鍵はどこにあるノ?」
「…鍵は……持って無い」
「じゃあ、誰が持ってるんだ?」
カイの名前を出せば、BBAの中でなんらかの騒動が起こるのは避けられないだろう。恥ずべき姿を見られ、二人には愛想を尽かされたはずだ。それよりもカイに捨てられたら、どうしてよいかわからなかった。
「…自分の部屋に置いてある」
咄嗟に嘘をつくしか無かった。小さな嘘が大きな反動となって自分に返って来るとも知らずに。
「…じゃぁ、コレは、自分の意志で挿れてる、ってコト?」
「そうなのか?レイ!?」
最早否定できる術は見当たらず、レイは小さく頷いた。
「ちょっと待った。じゃあまずコレは何なんだ?ちゃんと説明してくれよっ」
肛門の異物を凝視していたタカオが、鎖を弄びながらレイの体内に収まっている異物の説明を求めた。
「うぐぅぅっ!こっ、これはっ……アナル・プラグと言って……お尻の穴を……拡張する道具なんだ…」
「へぇー。でも、お尻の穴を広げてどうするんだ?」
素直に答えると一旦は納得したようだが、再び沸き上がった疑問にタカオはますます不思議そうに首を傾げる。
「アメリカだとゲイの人がアナルセックスのために訓練するっていうのは聞くけどネ」
「あなる…せっくす?なんだソレ」
こんどはマックスの言葉にタカオが説明を求めた。
「男の人のペニスをお尻の穴に入れることダヨ」
「…って事は、レイはその為にこんな道具を挿れてるって事か?」
まさかカイのものを受け入れるために拡張訓練を施されているとも言えず、レイは黙り込んでしまう。
「…でも、レイって女の子みたいに可愛い顔してるケド、コッチはけっこう立派だよネ」
マックスはもっとストレートで、アナルの異物よりも目の前にそそり立った怒張に興味があるようだった。
「アナルにオモチャを突っ込んで、さらに人前で勃起させてるなんて、レイって実はマゾだったんだネー」
「ってゆーかさ、ただの変態だろ?」
今更、カイにアナル・プラグの着用を強要されているなどと言い出せはしなかったし、仮に言ったとしても到底信じては貰えないだろう。
自虐的な変態行為だと思われるのは屈辱だったが、奇妙に胸がときめいてしまうのも否定できなかった。
これから、二人にどんな悪戯をされてしまうのだろう…そう考えるだけで、レイのペニスがピクンと反応した。
「その格好、写真に撮っておくか」
「ナイスアイディアネ、タカオ!」
マックスは冷ややかに笑うと、鞄の中から持参していたデジタルカメラを手にした。
「い……嫌だっ……」
レイは必死に顔を隠そうとするが、次から次へと角度を変えてフラッシュが浴びせられる。
「結構イイ写真が撮れたヨ♪」
マックスはカメラのモードを撮影モードから再生モードへと切り替え、液晶画面をレイに向けた。そこにはアナルに異物を挿入されながらペニスを勃起させた、なんとも惨めな自分の姿が映し出されていた。必死で顔を隠したつもりだったが、はっきりとレイとわかる画像もある。
「もっと恥ずかしい写真も撮ってあげるネ。タカオ、レイの脚を抱えて広げるようにシテ」
「いいけどオレの顔は写すなよな?」
「や……やめてくれっ……」
「ア、折角だからコレも試してみようカナ?」
マックスは再び自分の鞄に手を入れ中を弄ると、奥の方からコック・ハーネスと呼ばれるペニス責め具を取り出した。
「なんだそれ?」
「こうやって使うモノ…なんだヨ」
マックスは輪になった部分を亀頭から押し込み、革ベルトを男性器の付け根に回す。二重になったリングに通してギュッと締め上げられると、輪と革ベルトを繋いだ細い鎖が左右の睾丸の間に深々と喰い込んだ。
「ひぃぃっっっ………」
ただでさえ痛いほどに勃起しているのだからたまらない。マックスが更に力をこめて引き絞ると、吐き気を催すような痛みが内臓を掻き回した。
「やっぱりレイってマゾの気があるネ。こんなコトされてるのに、さっきよりもずっと勃起してるヨ?」
「…どうしてそんなモン持ち歩いてんだ?」
「あぁ、ボクのウチはオモチャ屋さんだから、こういうのも扱っているんダヨ~。レイに似合いそうなモノいっぱいあるヨ?」
コック・ハーネスを装着し終えると、マックスは睾丸を揉みながら露になった裏筋に爪を這わせた。
「くぅっ……」
甘く残酷な弄玩にレイのペニスがピクンと踊ったが、このままでは精も放てない。
「じゃァ、また写真撮ってあげるネ♪」
「いやだっ……もう……やめてくれ……」
今、言われた通りの姿勢になったら、勃起したペニスはもちろん、異物を咥え込んだアナルまでもが鮮明に写されてしまうだろう。
「イヤ?ならいいケド……この写真をみんなに見せたら何て言うと思ウ?」
「…マ…マックス……」
「そうだなー、ラルフとか喜びそうだよな」
「カイやジンでもいいと思うけどネ」
「あの二人になんか見せる必要無いって」
もし本当に公開されたら、それこそベイと関わっては居られなくなってしまうだろう。
せめて、BBAの中だけに留めておきたい。
「見せられたくないのナラ、脚を大きく広げて、自分で持ちあげられるネ?」
「さっさとしないと、本当にバラ蒔いちゃうぞ?」
しかたなく脚を持ち上げると、無様に開け広げられた股間に向かってフラッシュが何度も焚かれた。
「今だけじゃなくて、これからもずっとボク達の言うことを聞くネ?じゃないと、この画像をインターネットで公開しちゃうヨ」
「でも、これだけ良く撮れてるんだからさ、案外ものすごい人気が出たりしてな」
タカオがまたモードを切り替えて、死にたくなるほど恥ずかしい格好を記録した画像を見せつけながら、顔をまたいできた。
「舐めろよ、レイ」
ズボンのチャックが開けられ、先端が先走りの液で溢れ、濡れた光を浮かべる未発達なタカオ自身が取り出された。
タカオがさらに腰を進めると、潤んだ亀頭がペチャと口元にへばりついた。
強引に奉仕を強いられるのは泣きたくなるほど屈辱的だったが、レイのペニスは何故かさっき以上に大きく膨らんでしまう。
「ほら、ちゃんと舐めてあげテ?レイ」
タカオが腰を前後させ、レイの歯列から口内へと自身を滑り込ませた。
マックスの言葉に覚悟を決めたのか、レイは舌先で鈴口から溢れる粘液を掬いあげ、タカオの怒張を愛撫し始めた。カイのと比べると、タカオのソレは海産加工品にも似た生臭さが漂っている。
好きになれない臭いだが、今は選択の自由など与えられていなかった。二人に解放してもらうしか道は無いのだ。
次第に、先走りの液とレイ自身の唾液がブレンドされた液体が、怒張全体へと塗り拡げられて行く。
「くっ……すげぇっ……」
チームメイトが顔の上で身悶える姿は複雑なものがあったが、肉茎から伝わる鼓動にレイも高ぶってくる。だがしかし戒められた状態のペニスを抜くこともできず、たまらずに、コック・ハーネスに縛められた分身がヒクッと脈打った。
「んぐぅ……」
複雑な気持ちで舌を動かし続けていると、タカオの肉棒が大きく脈を打った。
「ぅぅっ……もう……レイっ」
解放の時が近いことを悟ったレイは、硬直に吸い付きながら首を前後させると、タカオは堪え性もなく、青い精をレイの口内に放ち始めた。
「んむっ……」
少し遅れてレイが顔を顰めた。脈動が静まるまで粘液は幾度も喉を打ち付け、青臭いいがらっぽさが口中に漂う。
「じゃぁ、今度はボクの番だネ」
タカオの体液を処理する暇も無く、入れ替わるようにマックスの怒張を口に挿れられたレイは、虚ろになる意識の中、乱暴に開けられたドアの音ととともに、カイの怒声が聞こえたような気がした。
レイが目を覚ますと、そこはいつもの見慣れた風景-火渡邸で借りている自分用の部屋-だった。
自分の身に何が起きたのか理解できぬまま、時計を見ると既に夜の10時を指していた。カイとの勉強の時間はとうに過ぎている。
コック・ハーネスはいつの間にか取り払われていた。お尻の異物は挿れられたままの状態で苦しかったが、なんとか起き出しクローゼットからチャイナドレスを取りだし身支度を整えると、急ぎ足でカイの部屋へと向かった。
「遅かったな。どうした、寝過ごしたか?」
「カイ…」
カイは机に向かったまま、レイの方を見向きもせず、言葉を発した。
「今日は木ノ宮や水原に遊んでもらったそうだな」
「カイ…知ってるのか?」
「何をだ?」
手にしたペンを置き、くるりと向きを変え、レイを見据えた。
「何をされたのか、ちゃんと正直に言ってみろ、レイ」
強い口調で問い詰めてくるカイ。
「…その……マックスにアナル・プラグを挿れてるのがバレて…それをタテに写真を撮られて……」
「…その写真というのは、コレのことか?」
カイは小さなメモリーカードを取り出すと、PCに挿し、画像ファイルを開いた。
やがて、マックスに見せられた、アナルに異物を挿入されながらペニスを勃起させた自分の姿が画面上に映し出された。
「そっ、それはっ…」
「なかなかうまく撮れているな」
スライドショー機能で幾枚もの画像が次々に切り替わって行く。
「だが、勝手に他人のモノを咥えるような奴には、お仕置きが必要だな」
カイはレイのチャイナドレスを強引に引き裂き裸に剥くと、そのままベッドへと押し倒した。
「カ、カイっ!」
「今日は泣いても許さないからな。覚悟しておけ」
カイは手にしたカギを南京錠に差し込み、レイの下半身を束縛する鎖を外した。
ようやく解放される安堵感に、レイはアナル・プラグを引き抜こうと自ら手をかけようとした。
「待て。手を使わないで取り除け」
「えっ!?」
手を使わず、自らの意志だけでアナル・プラグを取り出せというのである。
もともとそのような役割をもって作られている器官である。作業自体はさほど難しい訳では無かったが、昨日からずっと排泄を行っていないため、プラグを抜いた勢いでそのまま漏らしてしまうことだけが気掛かりだった。
「くっ……」
下腹部に力を込めると、肛門周辺が持ち上がり括約筋が押し開かれてゆくのが感じ取れた。
「くぅぅっ……あっ……あはぁぁっ……」
括約筋が千切れてしまいそうに痛んだが、アナル・プラグが徐々に抜け落ち、一番太い部分が通り抜けると急に尻穴が楽になった。
カイは異物に付着した糞便を見て一瞬眉を顰めたが、すぐに呆れたような表情を浮かべて尻穴を眺める。
「成果はあったようだな。パックリと口を開けたままになっているぞ」
締まりを無くした肛門がどんな状態になっているのか、流れ込む冷ややかな空気でレイにも察しがついた。
「やだっ……見ないでくれ……」
ポッカリと肛門を拡げたまま赤々とした粘膜まで晒していると思うと恥ずかしかったが、啜り泣いて身を捩るしか術はない。
「ふっ…これなら楽に入りそうだな」
カイは自らのペニスを抜きながらレイに突き付けた。
「わかってるな?」
レイはゆっくりと起き上がると、はじめてペニスを咥える少女のようにオドオドとカイを見上げる。無理やり咥えさせられた今までとは違い、自らの意志でカイの男根に唇を寄せて亀頭を含んだ。
「しっかり唾液を絡めないと、お前が辛いだけだからな。まぁ、あの様子だと潤滑剤は必要ないかも知れないが」
しかしカイは髪を掴むと、喉の奥へと亀頭を送り込みながら呟く。そしてレイをベッドに押し倒し背後から抱きついた。
「犯してください、と、お願いしてみろ」
カイは耳に唇を押しあてて囁きながらペロペロと舐め回し、手ではレイの乳首を弄り始める。そして髪を鷲掴みにすると荒々しく振り向かせて唇を奪い、そそり立ったレイのペニスを抜く。
まるで自分が女になって、乱暴な男の餌食になっているような気分だ。
「カイっっ……お願いだ………カイのおチ○チンで……オレを犯してくれぇぇっっっ……」
倒錯した邪淫に負け、レイは自らカイの男根を欲した。
「ふっ……いくぞ」
カイはニヤッと笑い、双丘の間に唾液で濡れた亀頭を押し当ててきた。
「あぁっ……あがぁっ!」
いくら拡張訓練を受けたといっても、自分の分身より太いソレは、亀頭がようやく締まりを取り戻しかけた尻穴を押し拡げて突き刺さると、括約筋が悲鳴を上げた。
「丸一日入れていただけあって、簡単に咥え込んでいるな。…ずっと前からこうされたかったんだろう?」
カイが腰を使い始めると、腸壁を抉られる苦しさに脂汗が滲みだす……が、生身のペニスは無機質の物体に比べるとずっと気持ちよく、官能がすべてを支配してゆく。また僅かな痛みすらもカイに犯されていると思うと快楽に変わってゆくから不思議だ。
貫かれたアナルから込み上げてくる便意にも似た疼き……強すぎる刺激が与えられ、気が狂ってしまいそうな快感が押し寄せてくる。
「あ……あぁ……あぁぁぁ……も……もっと……もっとぉ……カイ……」
レイはいつの間にか、さらなる刺激を求めて身悶えていた。
「もっと?もっと乱暴にか?」
カイは瞳をさらに妖しく輝かせ、ドスンと腰を突き入れた。
「ぐっ……ダメだぁぁっっっ…」
その瞬間ペニスがピクンと踊ったが、咄嗟に差し出されたカイの手により強く握られ、噴きだそうとする精液を押しとどめてしまう。
「後ろの刺激だけで逝くところだったか」
「ぐふぅっ……あぁぅぅっ……」
たしかに逝ったことは逝ったのだろう。しかし射精感は味わえず、下腹の奥のモヤモヤはさらに増大している。
「出したいか?」
「あ……あぁ……出させて…くれっ…」
カイに耳元を嘗められながら囁かれると、レイはもちろんというように大きく頷いていた。
「そうか……なら、一滴も出なくなるまで思う存分吐き出すんだな!」
カイは興奮にうわずった声で喚き、レイの肉棒から手を放すと、亀頭の先を爪でくすぐり始めた。
「ぐむぅぅっ……」
尿道の灼けるような痛みと尻穴を抉られる苦しみが混じり合い、下腹の中で煩いほどに駆け回る。強すぎる刺激も官能の一部にすり替わり、頭の中を真っ白に光らせて意識を遠のかせる。
「かはぁぁぁ……」
押し止どめられていた樹液がドクドクと溢れ出した。尿道の先端はひどく痛んだが、それも忘れさせるほど強烈な絶頂感だ。迸る精液が、いつまでも止まらないような気がした。
カイは流れ落ちる精液を手で受け止めて亀頭に塗りたくる。そしてようやく出なくなると、滑りの絡んだ指でレイの唇を弄びだした。
「むふぅ……」
言われなくても、レイは自分の精液が塗れた指にしゃぶりつく。舌を絡めてピチャピチャと濡れた音をたてはじめると、カイの顔が嬉しそうに綻んだ。
「そんなに自分のザーメンが美味いか…?もっと絞り取って舐めさせてやる……」
唾液と精液に滑った手でペニスをヌラヌラと弄ばれているうちに、若い男根は萎えきることもなくまたムクムクと首をもたげてきた。
カイは爪を射精の余韻が残る尿道口に差し込んだり、亀頭を引っ掻いたりしながら扱いている。そして睾丸を柔らかくまさぐっていたかと思うと、いきなり力を込めて握り潰す。
「あぁっ、カイ、カイィ………」
心地よい刺激と苦痛とを交互に与えられ、レイはカイの腕の中で身悶え続ける。アナルを犯されながらペニスを弄り倒されて、二度目の精を放つまで長い時間はかからなかった。
「あはぁぁぁっ……も……もう………」
しかしカイは休む暇も与えず、萎えようとするレイの肉茎を悪戯しながら自分自身を引き抜いた。
「あぁっ………」
カイの熱が失われ、名残惜しそうに吐息を漏らすレイ。
「もう?止めてほしいのか?」
カイは肉棒の先端をレイの入り口付近に当てると、亀頭部分のみを再び体内に収めた。
「くぅっっ……あぁ……」
ゆっくりと擦るような鈍い刺激に、レイ自身も戸惑いを隠せず、本音が口から漏れて行く。
「や…だ……カイっ……もっと……」
「もっと……なんだ?」
「…もっと…つよく……おねがい……」
「……あぁ」
腰の動きを速めていくと、レイは顔を紅潮させて切なげに身を捩る。カイはその時、はじめてレイを手中に収めたと実感した。
「あっ……あっ……あっ……」
あとは腰を突き入れるたび、レイが可愛いよがり声を上げ続ける。
「も……もう……あぁっ………」
終わりのない刺激にレイは官能の波に揺られ続ける。白目を剥いて身体を強張らせ、背中に深々と爪を食い込ませてきた。
「あぁっ…カイ…カイ…カイっ…」
倒錯した快感が全てを塗りつしていく中で、レイは救いを求めるように朧げな意識の中でカイの名を叫び続ける。
「あぁぁぁっ………」
そして全身を震わせながら断末魔の呻きを吐き、絶頂を迎えた。少し遅れて、カイも低い呻き声とともに、レイの体内へ熱い迸りを解き放った。
疲れ果てた末に意識を手放したレイとは対称的に、カイはレイから身体を離すと、机の中から小さなベルトのようなものを取り出し、レイの首元へと装着した。
そして昼間マックスがそうしたように、棚からデジカメを取り出すと、淫精に塗れたレイの身体を余す事なく撮り続けた。
翌日。
カイのベッドで目覚めたレイは、首元に得体の知れない違和感を感じた。
とてつもなく何か嫌な予感に襲われ、レイは隣で眠るカイを揺り起こした。
「何だコレは?」
「…アクセサリーだ。お前が俺のものである、という証しにな」
そうは言うものの、指先に触れてみる感触といい、明らかにこれは…
「ただの首輪だろう!?」
「安心しろ。れっきとした猫用だ」
「オレは猫じゃないっ!!」
レイは側にあった枕を手に取りカイの頭めがけて叩きつけた。
この時あまりにも抵抗されたため、火渡コーポレーション内で密かにプロジェクトが立ち上げられ、ペット・リングの開発が進められたということをレイは知る由もない。
[終]
家庭教師をやったことはありますが、さすがにこんなことはされませんでしたよええ(笑)
しかしペットリングってわかる方いらっしゃるのかしらん…