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「レイさん。…あなたなんか、カイさんには相応しくない」
これは脅迫だ。
「カイさんと別れてください」
ユウヤの手にはデジカメが握られていて、
その中には女装して自慰に耽るオレの姿が納められている。
「カイさんの前から姿を消してくれるだけでいい。そうすれば、秘密は守ってあげます」
掌の上でデジカメが弄ばれる。いまにもこぼれ落ちそうだ。
「あなたがこんな変態だって知ったら、カイさん、さぞかし軽蔑するでしょうね。
だいたいどうして女装なんですか?はっ、笑っちゃいますよ」
そう言った後、ユウヤは嘲笑的な笑い声を立てた。
オレは深く息を吸い込み、声が収まるのを待ってから、言った。
「…カイは、オレのキャミソール姿に目が無いんだ」
あれからユウヤは姿を見せない。
デジカメは壊れたまま。
明日もお天気。
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